一般小児科の診療
一般小児科の診療
小児科は赤ちゃんから中学生までのお子様の診療を全般的に行います。下記のような症状に対応します。気になる症状があれば受診してください。
診察や院内で行える検査の上、さらに精密な検査が必要だと判断した場合は、地域基幹病院にご紹介させていただきます。
発熱はウイルスや細菌に対して正常に免疫が働いている証拠です。幼稚園や保育園などに通い始めたころは特に感染症にかかりやすく、発熱を繰り返します。感染症を繰り返しているうちに免疫も付き強くなります。子どもは発熱に比較的強く、39度を超えてもぐったりせず遊んでいることも多々あります。38.5度以上の発熱で、水分や食事がとりにくい、ゆっくり眠れないといった症状が伴うようでしたら解熱剤を使用してください。機嫌もよく、水分がある程度摂取できているようであれば、夜間に慌てて病院を受診する必要はなく、翌朝、落ち着いて受診してください。逆に熱は高くないにも関わらずぐったりして水分も取れない、呼びかけても反応が鈍いといった場合はすぐに受診しましょう。発熱が5日以上続く場合は必ず受診するようにしましょう。
生まれて間もない頃にミルクを飲んだ後、少量嘔吐するのは溢乳と呼ばれており、赤ちゃんによくみられる症状です。ミルク摂取後に噴水のように嘔吐する場合は幽門狭窄症が疑われますので必ず受診するようにしてください。幼児期以降の嘔吐の原因としては胃腸炎と咳嗽に伴う嘔吐が多いです。嘔吐が少し落ち着いてから経口補水液を、口を湿らす程度から摂取し、徐々に摂取量を増やしていくようにしてください。水分が全く摂取できない、おしっこの量が減ってきているという場合は早めに受診しましょう。
どんな下痢か(水のような、泥のよう、血が混じる)、1日何回程度出るのか確認しましょう。下痢便のついたおむつを持ってきてもらう、写真に撮ってきてもらうと、診断の助けになります。下痢の原因として最も多いのはウイルス性の胃腸炎です。乳幼児期は一度下痢になると、治るのに時間がかかることがあります。
どんな痛がり方をしていますか?痛いと訴えていても食事や睡眠ができ、遊んでいることができれば緊急性は低いかと思います。おなかを抱えて痛がっている、顔色が悪い、泣きやんではまた泣き叫ぶのを繰り返す、嘔吐する、食事もできずぐったりしている場合は緊急性が高い腹痛である可能性がありますので、すぐに受診しましょう。お子様の腹痛の原因として多いのは便秘と急性胃腸炎です。緊急性の高い腹痛には腸重積、急性虫垂炎があります。痛がる様子がおかしいと感じたらすぐに受診するようにしましょう。
一番多い原因は、いわゆる風邪(ウイルス感染症)に伴う症状です。初期はさらさらとした鼻汁で、徐々に色がついたねばねばした鼻汁になることが多いです。自分で鼻がかめるお子様はやさしく鼻をかんでいただき、自分でかめないお子様はこまめに吸ってあげるようにしましょう。幼児期以降で鼻汁が続き、くしゃみや鼻詰まり、目のかゆみが伴う場合はアレルギー性鼻炎の可能性があります。
咳は空気の通り道である気道に痰などが詰まらないように外に押し出すための防衛反応ですので、無理に止める必要はないと言われています。咳の原因はさまざまですが、最も多いのはかぜ(ウイルス感染症)に伴うものです。鼻汁が喉に落ちてきて咳が出ているケースもあります。咳がひどく、夜間眠れない場合、仮性クループ、急性気管支炎・肺炎、百日咳、気管支ぜん息の可能性があります。
風邪症状があり、耳を痛がるようになった場合は急性中耳炎の可能性があります。急性中耳炎の場合は耳の痛み以外に発熱、耳漏(耳だれ)といった症状を伴うこともあります。急性中耳炎は上気道から耳管を通ってウイルスや細菌が鼓膜の奥の中耳と言われる部分に入り込むために起こる病気で、3歳以下のお子様に多い疾患です。耳が痛いと言えない乳児期のお子様の場合は、不機嫌になる、耳に頻回に手を持っていくなどの様子がみられます。耳の痛みとともに、耳下腺が腫れている場合は耳下腺炎の可能性があります。耳下腺炎の原因としてよく知られているのはおたふくかぜのウイルスですが、ほかのウイルスでも耳下腺は腫れることがあります。耳下腺炎の場合、食事をする時に痛みが強くなるのも特徴です。
乳児期に出る湿疹を乳児湿疹と呼び、乳児湿疹の中に脂漏性湿疹やアトピー性皮膚炎、おむつかぶれなどが含まれます。湿疹はいずれも皮膚の炎症が原因ですので、スキンケアや適切な抗炎症治療薬(塗り薬)で炎症を落ち着けることが大切です。あせも(汗疹)は汗の通り道である汗管が詰まることで炎症が起こり、かゆみや湿疹が出てきます。基本的には汗をこまめに拭き取り、シャワーで汗を流し、スキンケアすることで治ることが多いですが、かゆみが非常に強い場合は炎症を抑えるステロイド外用薬を短期間塗布します。夏に多いあせもですが、寝るときにスリーパーを着せたり、毛布の掛け過ぎ等で冬にもみられることがあります。
とびひや水いぼは皮膚のバリア機能が弱い幼児期でアトピー性皮膚炎や乾燥肌のお子様によくみられる疾患です。
とびひは、湿疹や乾燥などで搔き壊してしまった部分に黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌が感染して起こります。治療は皮膚をきれいに洗うこと、抗生剤の内服、軟膏塗布です。とびひ部分に接触すると他のお子様にも感染が広がることがありますので、とびひにかかった時はタオルの共用は避け、保育園や幼稚園ではプールはお休みしましょう。
水いぼは、搔き壊してできた皮膚の傷にウイルスが感染することで起こります。水いぼに効く薬はなく、自然経過で待つかピンセットなどでつまんで取るかになります。自然経過の場合治るまでに1年程度かかります。水いぼはつぶれない限りは他の部分や他人に移ることはありませんが、搔き破った手で他の皮膚や他人の皮膚に接触すると移す可能性があります。プールは禁止ではありませんが、タオルの共用は避ける方がいいでしょう。
熱性けいれんは生後6~60か月の乳幼児に起こる、38度以上の発熱に伴う発作性の病気です。
髄膜炎や脳炎などの感染症など、てんかんの既往があるものは除外されます。乳幼児の脳細胞が急激な体温の変化に弱いため起こると言われています。多くは発熱から24時間以内に起こり、一度熱性けいれんを起こしたお子様の30%程度が、その後複数回起こすと言われています。遺伝的な要因もあり、両親に熱性けいれんの既往があれば起こりやすくなります。基本的には5分(多くは2~3分)以内に止まることが多いです。
自宅でお子様がけいれんした場合は、まずは、安全な場所にお子様を寝かせ、顔や体を横に向かせて唾液や吐物を誤嚥しないようにしましょう。けいれんが5分以上続く、繰り返す、意識がぼーとした状態が続くなどあれば救急車を呼んで病院に受診するようにしましょう。