舌下免疫療法
舌下免疫療法
アレルゲンを少量ずつ投与し、アレルゲンが体に入った時に起きる症状を軽くする治療法です。アレルゲンを注射で体内に入れる皮下免疫療法と、アレルゲンを舌下(舌の下)に置く舌下免疫療法があります。アレルゲン免疫療法自体は100年以上の歴史がある治療法です。
舌下免疫療法は1980年代に海外で開始された治療法で、日本では2014年にスギ花粉症で初めて保険適用となり、翌年の2015年には、ダニを原因とする通年性アレルギー性鼻炎も保険適用となりました。このため現時点での日本における舌下免疫療法の適応は、スギ花粉またはダニが原因となるアレルギー性鼻炎と診断された方です。
治療は毎日行い、3~5年継続する必要があります。
スギ花粉症では、治療を開始してはじめて迎えるスギ花粉飛散のシーズンから、ダニアレルギー性鼻炎では、治療を開始して数か月後から効果が期待できます。年単位の治療継続で最大の効果が得られると考えられています。
※ただし、すべての患者様に同様の効果が期待できるわけではないことをご了承ください。
1日1回、少量の治療薬から服用をはじめます。初日の服用は、当院で医師の監督のもと行い、2日目からはご自宅で服用いただきます。基本的に、1か月に1回受診いただき、副作用や治療効果などを確認させていただきます。
治療薬を舌の下に置き、薬ごとに定められた時間を経過した後に飲み込みます。
その後5分間は、うがい、飲食を控えます。また、運動や入浴は2時間程度避けるようにします。
スギ花粉症の場合、スギ花粉の飛散時期はアレルゲンに対する体の反応性が過敏になっているため、新たに治療をはじめることはできません。一方、ダニアレルギー性鼻炎の場合は、時期に関わらず治療をはじめることができます。
スギ花粉とダニの両方に対してアレルギーがある方は、治療は並行して可能ですが、同時に開始することはできません。まず、どちらかを開始して、4週間程度経過し、症状が安定してからもう一方の治療を開始します。
スギ花粉症、ダニアレルギー性鼻炎の治療対象年齢は、いずれも5歳以上です。
長期にわたりアレルギー性鼻炎の症状を抑える効果が期待できます。症状が完全に抑えられない場合でも、症状を緩和し、アレルギー治療薬の減量が期待できます。
舌下免疫療法では重篤な副作用が発生することは稀とされており、軽微な症状としては、次のようなものが報告されています。ほとんどが一時的なものですが、もしこのような症状が出現し、治まらない場合は受診してください。