皆さんにとって、10月10日は何の日ですか?
私の子どもの頃は『体育の日』という祝日でした。1964(昭和39)年 アジアで初めての五輪となる第18回夏季オリンピック東京大会の開会式が行われた日です。
医学の世界では10月10日は目の愛護デーです。何故、10月10日なのかご存知でしょうか? 10 10を横にして見ると、人の目と眉に見えるから、だそうです。目を大切にするように呼び掛けるイベントが各地で開催されます。
今日は子どもの目の発達について書こうと思います。
子どもの視力は生まれてから発達します。生まれたばかりの赤ちゃんの視力は0.02 ~ 0.04くらいで、光や物の形がぼんやりとわかる程度で、2 ~ 3ヶ月頃になると物をじっと見つめたり、動くものを眼で追ったり、人の顔をみて笑ったりという反応がみられます(4か月健診では動くものを目で追う追視が見られるかどうか確認しています)生後6ヶ月を過ぎると視力は0.1程に成長し、視界にあるもの(おもちゃなど)に手をのばし、つかんだりという動作をします。さらに1歳頃には視力は0.3程度、この時期に眼の機能が急速に発達します。
3 ~ 5歳前後で視力は0.8 ~ 1.0程度になり、大まかな立体視を獲得できるようになります。6 ~ 8歳頃になると大人と同程度の立体視が獲得でき、視機能の発達がほぼ完成します。この視機能発達の時期に、両眼で物を見ることで視力が発達すると言われています。視力を発達させる時期に目の網膜や視神経の正常な成長が妨げられることで弱視が起こります。何らかの理由で目の焦点がずれたり、眼に入ってくる光が正しく屈折されなかったりすると、脳が映像を正しく認識できず、弱視を引き起こします。弱視の原因のほとんどは、斜視または遠視・乱視などの屈折異常によるものです。
全国的に3歳健診で『スポットビジョンスクリーナー』が導入され、屈折異常などを早期に発見し、適切な治療につなげています。『スポットビジョンスクリーナー』に関してはHPにも詳細を記載しています。
日常生活において、お顔を回したりあごを上げたり引いたりして物を見ようとすること(異常頭位)があったり、カメラに写ったお顔を見ると眼の向いている方向が違うような気がする、など、気になることがあれば出来る限り早く眼科受診するようにお願いします。
2023年日本眼科啓発会議は、将来ある子どもたちの視力の成長を見守り、目の健康を推進するため、「はぐくもう 6歳で視力1. 0」という願いを込めて、6月1 0日「こどもの目の日」記念日を制定しています。
当院では後期健診、1歳半、3歳児の健診で『スポットビジョンスクリーナー』を導入しています。
また10月は 『えびクリ目の愛護月間』として、就学前のお子さんに『スポットビジョンスクリーナー』を体験していただくことにしました。体験を希望される方は、受診や予防接種などで来院された際に看護師又は受付にお声がけください。