知って欲しい食品表示の見方|えびしまこどもとアレルギーのクリニック|吹田市千里丘の小児科

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えびクリ通信

知って欲しい食品表示の見方|えびしまこどもとアレルギーのクリニック|吹田市千里丘の小児科

11月に入りました。連休1日目の土曜日はお休みをいただきご迷惑をおかけしました。2,3日と名古屋で開かれました日本小児アレルギー学会に看護師2名とともに参加しました。また10月には日本アレルギー学会があり、こちらにも1日だけ参加しました。以前、学会はすべて現地開催のみでしたが、コロナ以降、学会終了後にオンデマンド配信が一部のセッションのみ行われるようになり、聞き逃したセッションなどは後から勉強できるようになりましたが、やはり現地でアレルギーの専門の先生らと意見を交換できるのは、現地参加ならではです。また学会は知識をブラッシュアップするために非常に大切な場所です。小児アレルギー学会は特に小児のアレルギーに特化した学会で、今回も多くの学びがあり、今日からの診療に活かせる内容ばかりでした。学んできた内容を整理できましたら、えびくり通信でお伝えしていきたいと思います。

 

今日の話題は、食品表示の見方です。

 

乳幼児期に多い卵、乳、小麦の食物アレルギーは適切な治療で小学生までに6070%食べられるようになります。一方ナッツ類やソバのアレルギーは治る確率は10%程度だと言われています。卵、乳、小麦の食物アレルギーの最終目標は日常レベルで食べて症状が出ないということですが、重症なお子さんの場合、その目標が達成できないこともあります。またお子さんによっては、食べてしんどい思いをたくさんしてきたので、もう食べなくてもよい、食べたくないという方もおられます。

生きていくには食はかかせません。外食をすることもあるでしょうし、中食をすることもあるでしょう。食が楽しくあるために安全が大切ですね。そこで知っておいてほしいことの一つは食品表示の見方です。

 

食品表示で特に気を付けてほしいポイントは、

その1 飲食店(レストラン、ファーストフード店など)、量り売りのお惣菜、店内で調理するお弁当やパンなどは店頭で直接原材料を確認することが可能という理由でアレルゲンの食品表示制度の対象外になっています。

 

その2 添加物です。タンパク加水分解物は肉、大豆、小麦、魚、とうもろこしなどのタンパク質を原料としており、「うまみ調味料」として使用されます。また結着剤は食品の形状を保ったり食感をよくするために加えられる材料のことで、リン酸塩やカゼインナトリウム(乳由来)、卵、ゼラチンなどが使用されます。サイコロステーキなどの成型肉では乳由来の結着剤が使われて、重症な乳のアレルギーのお子さんであればアナフィラキシーの原因となることがあります。

 

その3 主要食品ごとの誤解と少量摂取です。乳酸菌は乳のアレルギーの方でも摂取できますが、乳酸菌飲料は除去が必要となります。また乳化剤はほとんどの場合が卵黄や大豆などから作られているので乳アレルギーの方も摂取可能です。乳からできている乳化剤の場合は乳化剤(乳由来)と記載されています。

 

その4 思い込みです。加工食品は時に原材料が変わります。今まで小麦が入っていなかったお菓子でも、リニューアルされた時に、小麦入りに代わっていたということもあります。入っていないと思いこまず、必ず食品表示を確認する必要があります。

 

加工食品を買うときには、食品表示を見るようにし、その食品表示の読み方を正しく知っておいてほしいと思います。不明な場合はぜひ製造元に確認するようにしてください。

 

もう一つ。クリニックや病院から処方される薬にもアレルギー食品が含まれていることがあります。

有名なところではインフルエンザの治療薬のイナビルやリレンザには微量の乳糖が含まれています。乳糖は乳のアレルギーのお子さんでも摂取可能なことが多いですが、経気道的に入ることでアレルギー症状を引き起こすことがあります。乳アレルギーのある方は、頭の片隅に記憶していただいて、インフルエンザにかかってお薬を出してもらうときは、その旨をかかりつけ医にお話しください

 

最後にこんなケースもありました。乳アレルギーのお子さんが、デパ地下のジューススタンドで、乳の入っていないフルーツジュースを買ったのですが、そのジュースを飲んでアナフィラキシーを起こされたことがありました。原因はおそらくマドラーです。乳入りのジュースを混ぜたマドラーをきれいに洗わず使用し、買ったフルーツジュースに混入していた可能性が考えられました。

 

いつどこで、アレルギー物質を口にしてしまうかわかりません。エピペンを処方されているお子さんは必ず外出時もエピペンも携帯するようにしましょう。

また消費者庁から外食・中食における食物アレルギーに関するパンフレットが出ていますので是非こちらもご参考にしてみてくださいね。

主要食品ごとの誤解と少量摂取

除去の必要がない

重症児で一部除去の必要があり

除去が必要

鶏卵

鶏肉、魚卵、卵殻カルシウム

牛乳

牛肉、乳酸カルシウム、乳化剤、

カカオバター、乳酸菌、ココナッツミルク、マーガリン

乳糖

乳酸菌飲料

小麦

醤油、麦茶、麦芽糖、

味噌(麦味噌以外)

デュラムセモナリ粉

大豆

他の豆類、大豆油

味噌、醤油

ごま

ごま油

色で分けない

だし

肉ごとに判断

肉エキス

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