アレルギー発症予防を考える~ビタミンDの役割(学会報告①)|えびしまこどもとアレルギーのクリニック|吹田市千里丘の小児科

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えびクリ通信

アレルギー発症予防を考える~ビタミンDの役割(学会報告①)|えびしまこどもとアレルギーのクリニック|吹田市千里丘の小児科

12月に入りました。2024年も残すところわずかになりました。

秋をほとんど感じることなく、寒さが増してきましたね。インフルエンザやCOVID19陽性の患者さんもちらほら出ています。また朝晩の冷え込みで気管支喘息の発作症状を認めるお子さんも多いです。

12月はクリスマスシーズン、子どもにとっては特別な1か月です。元気にクリスマスを迎えてほしいなあと思いますので、気になる症状があるときは早めにご受診ください。

 サンタクロースといえばフィンランド。大学2年生の時に、内閣府の国際青年育成交流事業に応募しました。英語試験と面接試験に何とか合格し、10名の仲間と共に、フィンランドに3週間派遣していただきました。フィンランドでは、政府機関を表敬訪問したり学校を訪問したりしたのですが、ラップランド地方という、フィンランドの北部の地域に1週間ほど滞在したときに、自然に生息する多くのトナカイを見ました。えっ、トナカイってこんなに多く生息しているの?とびっくりしました。バスの中から普通に野生のトナカイが見られるのです。ラップランド地域のトナカイの数は住んでいる人の数と同じかそれ以上とか。トナカイってすごく遠い存在の動物だったのですが、フィンランドのラップランド地域では旅行などの短期滞在であっても見ない方が奇跡といわれるほど、フィンランドではなじみの深い動物だということがわかりました(このフィンランドでの経験や仲間は、私の大学生活で12位を争う貴重な存在です。)

 

今日はアレルギー発症予防におけるビタミンDの役割について書こうと思います。

食物アレルギーの発症は秋冬生まれのお子さんに多いこと、緯度の高い地域に多いことが知られており、日照時間と関係があると言われています。皮膚が紫外線を浴びると、皮膚に存在する7-デヒドロコレステロールという物質を原料にしてビタミンDが作られます。ビタミンDは腸でのカルシウムの吸収率を高める働きがあります。ビタミンD不足の状態ではカルシウムの吸収が十分できないため、体はカルシウム不足となります。カルシウムは骨の重要な原料ですので、カルシウムが不足すると骨がもろくなったり、骨の成長が悪くなります。また、最近になってビタミンDは免疫を担当する細胞を調整する役割があり、感染症に対する抵抗力を高めたり、アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患を防いだりする働きがあることが分かっています。秋冬生まれの人、緯度の高い地域に住んでいる人は日照時間が短いことからビタミンDが不足し、アレルギー疾患の発症が増えると言われています。

千葉大学の研究で1歳の時点で卵白の特異的IgE抗体が陽性になる危険因子として母乳栄養、6か月時点での湿疹、男の子、母のアレルギー疾患があることが報告されています。母乳栄養のお子さんは特にビタミンDが不足しており、卵白の特異的IgE抗体が陽性のお子さんが多いことが分かっています。乳児期にビタミンDを投与していると卵白の特異的IgE抗体が陽性になる確率を半数に減らせ、1歳時点での食物アレルギーの発症も4分の1程度に減らせることが報告されていました。

ビタミンDは魚、きのこ類、卵に多く含まれていますが、乳児期にこれらを摂取することはできませんので、サプリメントなどでビタミンDを補うのが選択肢の一つです。森下仁丹のBaby D®は、乳児期から摂取可能な小児用のビタミンDシロップですので、112滴飲ませてあげると、1日に必要なビタミンDが補えますのでお勧めです。

 

森下仁丹のBaby D®はネットで簡単に購入できますので、興味を持たれた方は検索してみてくださいね。ただし、ビタミンDか脂溶性ビタミンで取り過ぎも体に良くないので、記載された摂取量を守るようにお願いいたします。

 

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