開院して1週間が経ちました。
電子カルテの操作や医療機器の連携などで時間を要してしまい、患者様にはご迷惑をおかけしておりますが、温かく見守っていただき感謝しております。
今日は気管支ぜん息のお話です。
気管支ぜん息、ぜん息、小児ぜん息と呼び方は少し違いますが、どれも同じ病気です。
ぜん息とは気管支(肺に向かう空気の通り道)に炎症(気管支の火事)が原因で起こる病気です。ぜん息では、一見咳が出ていないような時もこの炎症は続いています。炎症がある気管支は刺激に敏感で、風邪をひいた、冷たい空気や花火の煙を吸った、台風が近づいてきたなど様々な刺激が加わると、気管支の周囲にある気管支平滑筋という筋肉がちぢみ、空気の通り道が狭くなってしまいます。狭くなったところを空気が通るのでヒューヒュー、ゼーゼーといった音が聴こえる、咳が止まらないといった症状が出てきます。お子さんの場合、風邪を引いたときにこのような症状を示すことが多く、特に夜中から明け方にかけて症状が出やすいのが特徴です。
気管支ぜん息とはっきり言われたことがなくても、上のような症状が何度か繰り返した場合は気管支ぜん息の可能性があります。
聴診ではゼーゼー、ヒューヒューの音を確認します。この聴診の時に大切なのは強制呼気で聴診するということです。強制呼気とは思いっきり息を吹いてもらう状態ですが、小さいお子さんに思いっきり息を吹いてといっても理解できませんよね。そこで登場するのが以前にお話しした風車です。
当院では聴診するときに必ず風車をまわしてもらったり、ティッシュペーパーを吹いてもらったりして、強制呼気で喘鳴がないか確認しています。普通に聴診器を当てただけだと喘鳴を確認できない場合でも、強制呼気にすると喘鳴を確認できることも多々あります。
また6歳以降のお子さんには呼吸機能検査(スパイロメトリー)や呼気NOの検査を行っています。スパイロメトリーは気管支の状態を評価する検査で、場合によっては気管支を広げる薬を吸入していただきその前後で呼吸機能を評価しています。また呼気NO検査は気管支にどの程度アレルギーの炎症が起こっているかを確認する検査です。いずれも気管支ぜん息の診断や治療において欠かせない検査となっています。
風邪の後、1か月程度咳が長引く、夜中に咳で目を覚ましてしまうことがある、運動したり大笑いすると咳が止まらないという症状があれば、ぜひご相談ください。