NO.38 インフルエンザ生ワクチン(フルミスト®)ってどんなワクチン?|えびしまこどもとアレルギーのクリニック|吹田市千里丘の小児科

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えびクリ通信

NO.38 インフルエンザ生ワクチン(フルミスト®)ってどんなワクチン?|えびしまこどもとアレルギーのクリニック|吹田市千里丘の小児科

8月に入りました。それにしても毎日暑いですね。

先週土曜日の診察終了、神戸中央市民病院の岡藤先生に声をかけていただき、LFA食物アレルギーと共に生きる会の守らないキャンプに参加しました。小学生、中学生の食物アレルギーを持つお子さん方が、親元を離れ、同じようにアレルギーを持つ子どもたちと1泊をともにするキャンプです。東京、福井県等遠方から参加しているお子さんもおられました。夕食の準備前には、持参しているエピペンや薬を確認し、どんな時に飲むのか、エピペンはどういうときに使うのか?等一人一人に確認していきました。小学校4年生ながらにして、薬を飲むタイミング、吸入するタイミング、エピペンを打つタイミングを正しく答えており、驚きました。素晴らしい!

子ども達で野菜を切り、火を起こす所からスタート。大人はなるべく手出ししない、守らない。夕食で使用する食材はさまざまなアレルギーに配慮されたものばかりでした。米粉素麺、米粉たこ焼き、カレーライス、おにぎり、バーベキュー、子ども達とワイワイしながら焼いたたこ焼きはとても、もちもちして美味しく、大人気でした。このソースは食べられるかな?ときちんと確認してから食べている子どもいました。本当に素晴らしかったです。アレルギーを気にせずみんなが同じものを食べられ、こどもたちのおいしいという笑顔がとっても素敵でした。暑い中でも元気な子供たちのパワーに圧倒されるとともに、アレルギーがあっても明るい子どもたちからパワーもらいました。アレルギーがあるから海外修学旅行の参加が難しいと言われた、富士山登山の参加はできないと言われた等、寂しい話も聞きましたが、危ないから参加させないではなく、自分の身は自分で守り、危険を回避するすべを身に着けているなら、ぜひ参加させてあげてほしいなあと思いました。私にとっても、今回のキャンプはとても貴重な体験でした。またこのような機会があったら参加させていただきたいなあと思いました。

 

さて、今日は、こんなに暑い中ですが、インフルエンザワクチンのお話です。

インフルエンザのワクチンといえば、今まで注射が一般的でしたが、昨年度より鼻にスプレーするタイプのインフルエンザワクチン(フルミスト®)が登場しています。

フルミスト®は2歳から19歳未満の方が接種可能です。弱毒化したインフルエンザウイルスを鼻の中に噴霧して、インフルエンザ擬似感染状態にさせ免疫を得ることになります。シーズン中1回の接種で効果は1年間持続します。従来のインフルエンザワクチンも、フルミストも予防効果に差はないと言われています。

 

 

 

フルミスト®

従来のインフルエンザワクチン

対象年齢

218

6か月以上

効果持続

1

46か月

投与方法

鼻腔内噴霧

皮下接種

接種回数

1

13歳以上 1

13歳未満 2

国の救済制度

あり

あり

投与量

0.2ml

(片方に0.1㎖ずつ)

3歳未満 0.25ml

3歳以上 0.5ml

 

フルミスト®の接種ができないのは下記の方々です

  • 対象年齢以外のかた(2歳未満、19歳以上)
  • 免疫不全のある方や免疫不全の方と接触する可能性が高い方
  • フルミスト®でアナフィラキシーを呈したことがある方
  • 妊娠していることが明らかな方
  • ミトコンドリア脳筋症
  • ゼラチンアレルギーの方

 

5歳未満で1年以内に喘息の発作やぜん鳴があった方や、喘息のコントロールが不十分な方は注意が必要です。日本小児科学会では気管支喘息のある方には従来の不活性型のインフルエンザワクチンを推奨しています。また米国では2~4歳の気管支喘息の患者さんにはフルミストの接種を推奨していません。

 

留意していただきたいこととしては、

1:フルミスト®は生ワクチンですが、他の生ワクチン(MRワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチン)との接種間隔については制限はありません。不活化ワクチンも同様です。

2:1シーズン中にフルミストと不活化ワクチンを併用することはできません。どちらか選択していただく必要があります。

3:フルミストの接種を受けた場合、鼻咽頭の分泌物の中にワクチンウイルスを最長で34週間排出する可能性があります。また接種された方が未接種の方へワクチン由来のウイルスをうつす可能性があります。

4:フルミストを接種した直後に抗インフルエンザ薬を内服した場合、ワクチンの効果が減弱する可能性があります。

 

 

昨年はフルミスト®の出荷数に限りがあるとのことで、当院では接種を見合わせました。今年度は十分なワクチンが出荷されるようですので、接種を行う予定です。

気管支喘息で受診していただいている方で、きちんと毎日の吸入や内服ができており、発作がない状態が維持できているお子さんについては接種可能と考えております。接種してもよいか等ご不明な点がありましたら、スタッフにお声がけください。

今年度のインフルエンザワクチンの予約などにつきましては、お盆休み明けにお知らせに掲示いたしますので、ご確認下さい。

 

 

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