皮膚の感染症|吹田市千里丘の小児科|えびしまこどもとアレルギーのクリニック

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皮膚の感染症

皮膚の感染症|吹田市千里丘の小児科|えびしまこどもとアレルギーのクリニック

伝染性膿痂疹(とびひ)

皮膚に侵入した細菌によって引き起こされる皮膚の感染症です。伝染性膿痂疹には原因となる細菌や発疹の違いから水泡とびらんを特徴とする水泡性膿痂疹と黄色の比較的分厚い痂皮を特徴とする痂皮性膿痂疹に分類されます。
水泡性膿痂疹は黄色ブドウ球菌によるもので、2~3歳のお子さんに多く、特に夏の高温多湿の時期に流行します。痂皮性膿痂疹はA群β溶血連鎖球菌、黄色ブドウ球菌によるもので、年齢や季節を問わず発症します。
アトピー性皮膚炎などの湿疹や皮膚の傷ついた部分などバリア機能が低下した部分に細菌が感染し発症します。

症状

  • 水泡性膿痂疹では、最初に赤み、かゆみを伴う水ぶくれができ、それが破れてただれ(びらん)が起こります。水ぶくれの中身を触った手で別の部位を触ることで病変があちこちに広がります。鼻の穴を頻繁に触ることで鼻の周囲にできることもあります。
  • 痂皮性膿痂疹では、赤みから始まり、小さな膿疱(膿のたまった水ぶくれ)ができ、それがやぶれてただれ、厚いかさぶたができます。時に発熱やリンパ節の腫れ、のどの痛みなどの症状が出ることもあります。

治療・日常の注意点

  • 患部の清潔を保つことが大切です。石鹸をよく泡立てて患部を洗い、シャワーでしっかり洗い流すようにします。
  • ほかの人にうつるのを避けるため、プール(水泳やプール遊び)は治癒するまで控えます。洋服やガーゼなどで覆うことができれば登園することは可能です。
  • タオルや衣類からうつる可能性もあるため、家族や友達との共用は控えます。洗濯は一緒に行っても大丈夫です。
  • 日頃から爪を短く切り、虫刺されなどを掻いて皮膚を傷つけないように注意しましょう。
  • 鼻の穴や周囲をよく触るくせがある場合は、できるだけ触らないように気をつけましょう。
  • 広がり具合などによって抗生剤の内服や外用を行います。
  • 黄色ブドウ球菌の毒素が血液中に入り込み、高熱、皮膚の強い赤みや痛みなどがみられる「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群」に進展することがあります。緊急度の高い状態でただちに受診が必要です。

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群とは

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群はこの黄色ブドウ球菌が作り出す毒素が血液の循環によって全身に広がり、皮膚がやけどのように剝がれてしまう病気です。
直接感染を起こしていない場所の皮膚にも、血液を介して運ばれた毒素で皮膚が剥離してびらん(皮膚や粘膜の表面が欠損した状態)を起こします。力が加わる部分や擦れやすい部分を中心に広範囲に皮膚が障害されます。
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群は主に乳幼児期にみられることが多く、学童期以降にみられることはまれです。

伝染性軟属腫(みずいぼ)

アトピー性皮膚炎や乾燥した人の皮膚で、ポックスウイルスの感染によっておこる疾患です。この感染症でできるいぼは通常、直径約2~5ミリメートル未満で、ドーム状の形をしており、いぼの中央部に小さいくぼみがあります。伝染性軟属腫の原因ウイルスは感染性が高く、皮膚との直接の接触や感染者が触れたタオルやスポンジなどの物を介して伝染します。

症状

  • 小児では顔面、体幹、腕、脚の皮膚によく病変が生じます。通常は痛みもかゆみもないため、身体診察を受けた際に偶然見つかることもあります。ただし、体内でこのウイルスを排除しようとする反応が起きると、いぼがおできのように強い炎症を起こしたり、かゆくなったりします。この炎症は、軟属腫が間もなくよくなることを意味しています。

治療・日常の注意点

  • ピンセットなどを使って水いぼを摘除する方法もありますが痛みを伴いますので、痛み止めのテープを使用し摘除することもあります。
  • 基本的には1年以内に自然によくなるので、経過を見ることも多いです。
  • プールに入ることは可能ですが、タオルの共用は控えるようにしましょう。

蜂窩織炎

蜂窩織炎は、皮膚と皮下の脂肪組織に生じる細菌感染症です。原因となる細菌には多くの種類があります。ブドウ球菌とレンサ球菌が一般的で、他には大腸菌や緑膿菌などの多くの細菌が蜂窩織炎の原因となります。また、最近は抗菌薬に対して耐性を示すブドウ球菌による蜂窩織炎が増えており、病院や介護施設で抵抗力が弱った人に感染しやすいと言われています。細菌は、通常ひっかき傷や刺し傷、手術、熱傷、真菌感染症(水虫)などによってできた小さな傷から侵入しますが、傷のない正常な皮膚にも起こることがあり、糖尿病やステロイド治療など、免疫を低下させる要因があると重篤化しやすくなります。人から人へ感染することはありません。

症状

  • 皮膚が赤く腫れて熱感や痛みを伴います。下肢に最も多く見られますが、体のどの部分にも生じます。感染部の皮膚は熱をもって腫れ、全身の発熱や悪寒を伴って重症となることもあります。

治療・日常の注意点

  • 軽症であれば抗菌薬の内服を行います。
  • 重症の場合は、抗菌剤を点滴で投与する必要があるため入院します。また急性期は安静にし、患部を冷やすことも有用です。
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