NO.62 気管支ぜん息の吸入② ~待って、そのやり方正しいですか?~ エアゾール製剤・ディスカス製剤の使い方|えびしまこどもとアレルギーのクリニック|吹田市千里丘の小児科

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えびクリ通信

NO.62 気管支ぜん息の吸入② ~待って、そのやり方正しいですか?~ エアゾール製剤・ディスカス製剤の使い方|えびしまこどもとアレルギーのクリニック|吹田市千里丘の小児科

 11月に入り、朝夕の冷え込みを感じるようになってきました。10月初旬に流行したインフルエンザはクリニック界隈の幼稚園・保育園・小学校では少し落ち着いたように思います。

先日、京都で開催された日本アレルギー学会学術大会に参加しました。アレルギーに関わる内科、小児科、耳鼻科、眼科など、さまざまな分野の医師や医療スタッフが集まる学会です。

新型コロナウイルス感染症の流行後、オンラインでも学会に参加できるようになり、以前より会場に足を運ぶ機会が少なくなりました。今回は京都での開催ということもあり、1日お休みをいただいて参加してきました。勿論、オンラインでも勉強はできますが、発表された先生に直接質問したり、企業展示で新しい情報を得たりできるのは、現地参加ならではの魅力です。今回は国際学会も兼ねていたため、発表はすべて英語。頭をフル回転させてきました。

さて、国際学会に参加していると、国によってぜん息治療の方法にも違いがあることを感じます。日本の小児ぜん息のガイドラインは非常に詳しくまとめられており、日々の診療に欠かせないものの一つです。気管支ぜん息の治療目標に、『ぜん息があっても、ぜん息のないお子さんと同じようにスポーツをすることができる』があります。

ぜん息だからといって、好きなスポーツをあきらめる必要はありません。

 きちんと治療を続け、子どもたちが好きなことを思い切り楽しめるようにしたい。そんな思いで、日々の診療にあたっています。そのために大切なのが、毎日の治療(長期管理) です。

今回は、気管支ぜん息の吸入治療の第2回として、エアゾール製剤とディスカス製剤の正しい使い方についてお話しします。吸入薬は、薬を気管支や肺に直接届けることができる大切なお薬です。正しく使えていないと、十分な効果が得られないことがあります。それぞれの特徴と正しい使い方を確認していきましょう。

1.エアゾール製剤

エアゾール製剤は、加圧ガスの力で薬を霧状にして噴き出すタイプの吸入薬です。

小児のぜん息治療では、気道の炎症を抑える「吸入ステロイド薬」や、気管支を広げる「気管支拡張薬」を組み合わせたお薬などが使われています。

エアゾール製剤は手軽に使える一方で、薬を噴き出すタイミングと息を吸い込むタイミングを合わせるのが難しいという特徴があります。

そこで、小さなお子さんには「スペーサー」と呼ばれる吸入補助器具を使います。スペーサーを使うと、薬を噴き出すタイミングと息を吸い込むタイミングを合わせやすくなります。また、まだマウスピースをくわえて吸入することが難しいお子さんには、マスクを取り付けて使用します。

マスク付きスペーサーの使い方

  1. 吸入薬をよく振る。 使用するお薬の説明に従い、容器をよく振ります。
  2. スペーサーに取り付ける。 吸入薬をスペーサーに取り付け、マスクを顔に当てます。
  3. 薬を1回噴き出す。 マスクを顔に隙間なく当て、薬を1回噴き出します。
  4. スペーサーを通して呼吸する。 マスクを顔に当てたまま、スペーサーの弁が動くことを確認しながら呼吸します。5回程度弁が動くのを確認してください。
  5. 2回吸入する場合は、1回ずつ繰り返す。 もう一度薬を噴き出し、同じ手順で吸入します。
  6. 吸入後は口の周りを拭く。 吸入ステロイド薬を使用した場合は、うがいができるお子さんはうがいをしましょう。

 

マスクは顔にしっかり密着させることが大切です。強く押し付ける必要はありませんが、隙間があると薬が漏れてしまうため注意しましょう。

マウスピースタイプの使い方

息を合わせて吸入できるお子さんには、マスクのないマウスピースタイプを使うこともできます。

  1. 吸入薬をよく振り、スペーサーに取り付けます。
  2. 息を吐いてから、マウスピースを口にくわえます。
  3. 薬を1回噴き出すと同時に、息を吸い込みます。
  4. 吸入後は、できる範囲で息を止めてから、ゆっくり息を吐きます。
  5. 吸入後は、うがいをしましょう。

お子さんの年齢や吸入する力に合わせて、使いやすい器具を選ぶことが大切です。

2.ディスカス製剤

ディスカス製剤は、粉末状のお薬を自分の力で吸い込むタイプの吸入薬です。このようなお薬を「ドライパウダー製剤」と呼びます。エアゾール製剤と同様に、吸入ステロイド薬のみのお薬や、気管支拡張薬を組み合わせたお薬があります。ディスカス製剤で特に大切なのは、薬を十分な強さで吸い込むことです。

当院では、おおむね6歳以上のお子さんを対象に、吸い込む力や使い方を確認したうえで処方しています。ただし、年齢だけで決めるのではなく、一人ひとりのお子さんが正しく吸入できるかどうかを確認することが大切です。処方する前に、練習用の「ディスカストレーナー」を使って、十分な強さで息を吸い込めるかを確認させていただいています。

ディスカス製剤の使い方

  1. 吸入器を水平に持つ。
  2. カバーを開け、レバーを動かす。 カチッと音がするまでレバーを動かし、1回分のお薬を吸入できる状態にします。
  3. 吸入器に息がかからないように息を吐く。 吸入器から顔をそらして息を吐きます。吸入器の中に息を吹き込まないようにしましょう。
  4. 力強く、深く息を吸い込む。 マウスピースをくわえ、しっかりと口を閉じて、一気に力強く、深く息を吸い込みます。
  5. 吸入器を口から離す。 無理のない範囲で息を止めてから、ゆっくり鼻から息を吐きます。
  6. 吸入後はうがいをする。 口の中に残った薬を洗い流しましょう。

 

ディスカス製剤は、エアゾール製剤とは違い、自分の吸い込む力で薬を取り込む必要があります。吸入器を水平に持つこと、吸入器に息を吹き込まないこと、力強く息を吸い込むこと、吸入後の息止めがポイントです。

3.お子さんが吸入を嫌がるときは?

毎日の吸入を嫌がってしまうお子さん、忘れてしまうお子さんもいらっしゃいます。毎日続けることは、保護者の方にとっても大変なことだと思います。そのようなときには、次のような工夫を試してみてください。

  • 楽しく吸入できる工夫をする: スペーサーにシールを貼るなど、お子さんが興味を持てるようにしてみましょう。
  • 好きなことと組み合わせる: 動画やテレビを見ながら吸入すると、取り組みやすくなることがあります。ただし、正しい姿勢で、マスクやマウスピースを適切に使用できているか確認しましょう。
  • できたことをしっかり褒める: 上手に吸入できたときは、たくさん褒めてあげましょう。
  • 生活習慣の中に組み込む: 食事の前や歯磨きの前など、毎日の決まった行動と吸入を結びつけると、忘れにくくなります。

うまく吸入できないときや、お子さんが嫌がって困っているときは、無理をせずスタッフにご相談ください。お子さんに合った方法を一緒に考えさせていただきます

4.正しく吸入できているか、不安はありませんか?

「きちんと吸えているかわからない」「この使い方で合っているのかな?」と感じることはありませんか?吸入薬は、処方されたお薬を使うだけでなく、正しい方法で吸入することが大切です。そのようなときは、ぜひお気軽にスタッフへお声がけください。吸入器の使い方や、正しく吸入できているかを一緒に確認させていただきます。

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