5月に入りました。ゴールデンウィークは楽しい思い出はできました?
新年度が始まり1か月がたち、新しい環境に慣れてくる時期だと思います。慣れてくるともに疲れが出やすく、お子さんが体調を崩しやすい時期でもあります。
ゴールデンウィーク中に熱が出ましたと言って受診されるお子様も多くおられます。
受診されるお子さんの中で、
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- 「熱と咳が続いている」
- 「夜になると咳き込んで苦しそう」
- 「ゼーゼーという音がする」
といった症状が目立つ方がおられます。
検査をすると「ヒトメタニューモウイルス」が陽性になるケースが増えています。あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、実は乳幼児の風邪の原因としてよく見られるウイルスです。
今回は、この「ヒトメタニューモウイルス」の特徴や注意点について解説します。
ヒトメタニューモウイルスって何?
主に乳幼児に呼吸器感染を起こすウイルスです。
2001年に発見された比較的新しいウイルスですが、今では「子どもの風邪を引き起こす重要なウイルス」のひとつとされています。
- 流行の時期: 3月〜6月頃(ちょうど今がピークです)
- かかりやすい年齢: 特に1〜3歳頃(大人も感染します)
どんな症状が出るの?
最初は「普通の風邪」と見分けがつきません。
【主な症状】
- 発熱
- 咳、鼻水、のどの痛み
【悪化してくると…】
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- 痰(たん)が絡んだしつこい咳
- ゼーゼー(喘鳴)
- 息苦しさ
一番の特徴は、「咳が強くなりやすい」ことと、「ゼーゼーしやすい」点です。乳幼児は気管支炎や肺炎になり、入院が必要になるケースもあるため注意が必要です。
RSウイルスと何が違うの?
熱が出てゼーゼーするウイルスの代表格は「RSウイルス感染症}でしょうか。
ヒトメタニューモウイルス感染症の症状は「RSウイルス感染症」と非常によく似ており診察だけで区別するのは困難です。
ヒトメタニューモウイルスの傾向としては、「RSウイルスより少し年長のお子さんもかかりやすい」「咳が長引くことが多い」という特徴があります。
治療はどうするの?
残念ながら、このウイルスに直接効く「特効薬」はありません。
ご家庭では、症状を和らげる「対症療法」が中心となります。
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- 水分をしっかり摂る
- こまめに鼻水を吸ってあげる
- 加湿をして痰を出しやすくする
これらを心がけながら、自然に回復するのを待ちます。
こんな時はすぐに受診を!
「ただの風邪かな?」と思っていても、小さなお子さんは急に呼吸が苦しくなることがあります。
下記の症状がみられるときは速やかに受診するようにしましましょう
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- 呼吸が速い、苦しそう、息を吸う時に、胸のあたりがペコペコへこむ
- ゼーゼー音がひどい
- 水分やミルクが飲めない
- 顔色が悪い、ぐったりしている
ヒトメタニューモウイルスは、多くは自然に治りますので過度に心配する必要はありません。
しかし、咳で眠れなかったり体力を消耗したりするのは、お子さんにとっても親御さんにとっても辛いものです。
「熱が長引いている」「咳がひどくなってきて夜中もよくせき込んでいる」「呼吸がいつもと違うかも?」と少しでも不安に思われたら、早めにご受診ください。

