新学期が始まって2週間が経過しました。新しい生活にまだ慣れず、体調を崩しやすい時期ですね。
今年も山田第2小学校の学校健診に出かけました。「あ、えび先生やん、こんにちは」「いつもの看護師さんも一緒やね」と声をかけてくれるお子さんもおり、クリニックやスタッフが少しずつ地域に浸透してきていることを感じ、うれしく思いました。
また先週末には、下関で開催された日本小児科学会学術大会に出席しました。学会というとアレルギー分野に偏りがちですが、本学術大会はそれ以外の分野についても研鑽を深めることができる貴重な機会です。さまざまなテーマの発表やシンポジウムが行われる中で、子どものネット依存に関するセッションもあり、非常に興味深い内容でした。
さて今日は昨年度の食物経口負荷試験の実績報告です。
昨年度、当院では延べ108名のお子さんに食物経口負荷試験を実施いたしました 。 食物経口負荷試験は、アレルギーが疑われる食品を実際に食べてみて、安全に食べられる量を確認する大切な検査です。
検査を安全に受けていただくために
負荷試験を安全に行うためには、アトピー性皮膚炎や気管支ぜん息といった、他のアレルギー疾患が落ち着いていることがとても重要です 。特にぜん息がある場合は、しっかりとコントロールした状態で臨んでいただいています 。
当院では、お子さん一人ひとりに担当の看護師がつき、症状を見逃さないよう細心の注意を払って見守っております。
即時型アレルギーの試験結果
食べてから2時間以内に、じんましんや咳などの症状が出るタイプの結果です 。 ガイドラインに基づき、少量から中等量、重症度が高い場合はさらに少ない「微量」から慎重に進めています 。
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食品名 |
検査人数 |
症状が出なかった方(陰性) |
症状が出た方(陽性) |
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鶏卵(卵白・卵黄) |
35名 |
34名 |
1名 |
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牛乳 |
24名 |
23名 |
1名 |
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小麦 |
9名 |
7名 |
2名 |
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ナッツ類 |
11名 |
9名 |
2名 |
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その他(大豆・魚など) |
9名 |
8名 |
0名 |
- 症状が出た場合の対応について: 昨年度、強いアレルギー反応(アナフィラキシー)でアドレナリン注射が必要になったケースはありませんでした 。症状が出た場合も、飲み薬や吸入、必要に応じて点滴を行い、速やかに回復しています 。
食物蛋白誘発性胃腸炎(FPIES)の結果
最近増えている、食べてから数時間後に繰り返し吐いてしまうタイプ(食物蛋白誘発性胃腸炎)の結果です 。 当院では、まず「微量」で試して微量での陰性を確認してから、量を増やす「2段階方式」で実施しています。
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食品名 |
検査人数 |
症状が出なかった方 |
症状が出た方 |
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卵黄 |
14名 |
13名 |
1名 |
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お魚・大豆など |
6名 |
6名 |
0名 |
食物アレルギーは除去しているだけでは治らないケースもあります。少しずつ食べていき、体をアレルゲンに慣れさせる必要がありますが、その少しずつがどの程度なのか、それはお子さんによって様々です。ちょっとずつ食べてではなく、具体的に何グラム食べて、自宅では週になんかい食べるのかを細かくお伝えし、食べられる量を増やしていく必要があります。「うちの子も食べられるようになるのかな?」など、負荷試験について気になることや不安な点がありましたら、診察時にいつでもお気軽にご相談ください 。
これからも、お子さまの「食べられる」を増やすお手伝いを、安全第一でスタッフ協力しサポートしていきたいと思っています。
最後に先日子ども家庭庁から学校における教職員のネフィー®の使用に関する通達が出ました。教職員もネフィーの使用を許可するという通達でした。今後、学校がどのような動きになっていくのか、情報が入りましたら提供していきたいと思います。

